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研究室に関連する学部講義・実習

ランドスケープエコロジー(緑地環境学専修・フィールド科学専修必修)

担当教員:大黒俊哉

概要:ランドスケープエコロジーは、地域をひとつの生態系として総合的に捉え、そこでの自然的・社会的要素の相互関係の理解を通じて、望ましい地域環境構築のための評価・計画手法の提案を目指す俯瞰的な研究分野である。この講義の前半ではまず、地理学、生態学、緑地学の3分野にまたがって発展してきたランドスケープエコロジー(地域生態学)の概念と方法について論じる。つぎに、地域環境を総合的かつ定量的に捉えるツールとしての環境情報科学の基礎的な理論と応用についての理解を深める。後半では、ランドスケープエコロジーの応用場面として、生態系保全、里地里山の保全と再生、土地荒廃の防止、環境モニタリングと評価、エコロジカルプラニングなどを例に、具体的な課題解決に向けたアプローチを紹介し、ランドスケープエコロジーの応用可能性について概説する。

授業計画:

1.ランドスケープエコロジーの基礎
1)ランドスケープエコロジーの概念と方法
2)自然環境のとらえ方
2.ランドスケープエコロジーと環境情報科学
1)地理情報システム
2)リモートセンシング
3)広域コモンデータベース
3.ランドスケープエコロジーの応用
1)生態系と生物多様性の保全
2)里地里山の保全と再生
3)都市におけるエコロジカルネットワークの再生
4)土地荒廃の防止と持続的な土地利用
5)地域環境のモニタリングと評価
6)エコロジカルプランニング

 


自然共生社会論(緑地環境学専修必修)

担当教員:武内和彦・渡邉綱男(国連大学サステイナビリティ高等研究所シニアプログラムコーディネーター)

概要:国立公園を含む自然公園から出発した日本の自然環境行政は、近年、里山里海といった二次的自然域を取り込んで大きく拡大した。また、生物多様性・生態系サービスへの認識の高まりとともに、その科学的評価やそれに基づく自然再生事業のような取り組みも盛んになった。また、国内各地における世界自然遺産の登録やSATOYAMAイニシアティブの推進に見られるように、国際的な視野をもった取り組みも始まっている。この講義では、教員自身の経験も踏まえ、こうした取り組みを具体的に論述するとともに、自然共生社会実現に向けた課題を検討する。

授業計画:

1.自然共生社会とは何か
2.国立公園と自然保護・活用の歴史
3.世界自然遺産と地域の新たな価値創造
4.自然環境アセスメントと自然再生事業
5.生物多様性条約と生物多様性国家戦略
6.生物多様性・生態系サービスの評価
7.SATOYAMAイニシアティブと自然共生社会
8.野生生物の保護・管理と外来生物対策
9.東京都内の自然緑地見学実習
10.自然共生社会実現に向けた政策の検討

 


緑地計画学(緑地環境学必修)

担当教員:横張真(東京大学大学院工学系研究科都市工学専攻教授)

概要:本講義の目的は、様々な空間を対象とした緑地計画のあり方とその背景を、多角的に論じることにある。本講義は4部からなる。第1部では、近代以降の都市における緑地計画について、とくに日本における都市公園の成立や、現代の都市における公園緑地の形態と機能を中心に論じる。第2部では、都市近郊の緑地計画について、都市近郊という空間の成立過程やその特性を踏まえながら論じる。第3部では、農村および国土レベルでの環境保全のあり方を、農村緑地の保全という観点から論じる。さらに第4部では、緑地計画を実現する枠組みとしての参加型計画のあり方について、環境アセスメント等に論及しつつ展望する。

授業計画:

1.都市の緑地計画
1)近代都市の誕生と公園緑地
2)近代都市公園の成立と公園緑地計画
3)現代の都市における公園緑地の形態と機能
2.都市近郊の緑地計画
1)都市近郊の誕生とその計画的整備
2)現代の都市近郊がもつ空間的・社会的特性
3)都市近郊緑地の計画的整備
3.農村の緑地計画
1)農業政策と環境保全
2)農林地の環境保全機能
3)流域環境の保全と農林地
4.環境アセスメントと参加型計画
1)環境アセスメントの枠組み
2)北米における参加型計画
3)わが国の参加型計画をめぐる課題

 


都市農村計画学(緑地環境学専修選択必修)

担当教員:村上暁信(筑波大学システム情報系社会工学域准教授)

授業概要:人口減少,都市の縮退といった社会的動向や,環境共生という社会的要請を背景として,都市と農村の関係は従前とは大きく異なってきている。これまでのような都市と農村を別々に扱う計画体系から脱却し,地域を一体的に整備していく計画手法の確立が求められているといえる。本講義では上記の問題意識のもと,まず都市計画の歴史,農村計画の歴史,都市と農村の関係の歴史について講義を行う。次に,地域づくり,まちづくりに関する基礎知識として都市計画や地域計画制度等の活用方法,その適用の実際について講義を行う。その上で,今後の都市農村の一体的整備手法について,事例をもとに議論をしていく。

授業計画:

1.都市計画の歴史,農村計画の歴史1
2.都市計画の歴史,農村計画の歴史2
3.都市と農村の関係の変遷
4.都市と農村の環境
5.住み良い地域,まち
6.地域計画の種類とその視点
7.住み良い地域,まちを実現する規制・事業・誘導手法1
8.住み良い地域,まちを実現する規制・事業・誘導手法2
9.持続可能な環境を実現する手法
10.農村地域の計画とその実現手法
11.計画制度の適用現場の実際
12.地域計画の動向と今後

 


緑化工学(緑地環境学専修選択必修)

担当教員:高山晴夫(鹿島建設技術研究所地球環境バイオグループ上席研究員)

授業概要:緑化工学は、緑の再生、復元、創出、保護等に関する計画、施工、管理などを対象とする総合科学である。緑は大気浄化、浸食防止、水源涵養、景観保全の機能のほか、最近特に問題となっている都市のヒートアイランド現象の緩和、二酸化炭素固定、生物多様性維持などの機能も持つ。多面的な機能を発揮できる緑を再生、復元、創出する緑化技術の役割は重要である。講義では、最初に、緑化の計画時に重要となる対象地の環境、緑化目標、緑化の素材や工法などに関して解説し、その後に、具体的な緑化技術について実例を挙げながら紹介し、問題点や今後の方向性について論じる。

授業計画:

1.緑化工学とは
2.緑の機能
3.対象地の環境評価
4.緑化目標の設定
5.緑化の要素技術
6.斜面緑化と森林の再生・創出
7.都市環境と緑化(屋上・壁面・室内)
8.ビオトープ創生
9.水辺緑化
10.沙漠緑化

 


保全生態学(緑地環境学専修・フィールド科学専修必修)

担当教員:吉田薫(東京大学大学院農学生命科学研究科生圏システム学専攻准教授)、西廣淳(東邦大学理学部生命圏環境科学科准教授)

授業概要:人間は生態系サービスに依存することで存在を維持している。我々は、その生態系サービスのかなりの部分を生物多様性がもたらしていることを知らなければならない。本講義では、生物多様性の意味とその価値を科学的に学び、生物多様性が加速度的に失われている現状を知るとともに、生物多様性の保全、健全な生態系の維持にはどのような指針や技術が必要なのか、生態系の修復にはどのような管理手法が求められるのかを学ぶ。

授業計画:

1. 保全生態学とは何か
2. 生物多様性の危機
3. 土壌・大気・水の役割
4. 湿地と湖沼の保全生態学
5. 河川の保全生態学
6. 草原の保全生態学
7. 森林の保全生態学
8. 里山の保全生態学
9. 水田生態系における生物多様性
10. 環境保全型農業
11. 遺伝子組換え生物と環境保全
12. 生態系と防災・減災

 


緑地デザイン実習(緑地環境学専修必修)

担当教員:篠沢健太(工学院大学建築学部まちづくり学科准教授)

緑地デザイン(ランドスケープデザイン)は、人間の生活環境に関わる様々な問題を、美観や快適性など緑地空間の質的向上を通じて、空間的・時間的に解決する手段である。本実習では、緑地空間の調査と問題発見、計画・設計の基礎的理論とプロセス、およびプレゼンテーションの技術について学ぶ。「デザイン」が個人のセンスや感覚に留まるものではなく、論理性や客観性を備えた「技術」であることを理解し、デザインのエンドユーザである一般市民に「わかりやすく」「説得力」のある解答を提供する方法論を習得することを目的とする。

授業計画:

1.デザインの基礎知識
1)道具
2)技法
2.デザイン・サーベイ
1)調査の目的
2)方法
3.演習1:デザインプロセスの習得(都市公園プロジェクト)
1)敷地分析
2)造成デザイン
3)植栽デザイン
4)模型・図面によるプレゼンテーション
4.演習2:デザインプレゼンテーションの習熟(郊外型プロジェクト)
1)デザインの方向性と代替案
2)地域分析
3)デザインとエリアマネジメント
4)プレゼンテーション(グラフィックス、ダイアグラム)

授業の方法:授業はスタジオ形式で行う。授業時間をおよそ3分割し、1/3を履修学生の前週からの作業経過報告と課題チェック、1/3を担当教員の説明、1/3を作業の時間とする。

授業は、実際の敷地を想定したケーススタディ形式で進める。デザインの基礎知識と緑地デザインのための基礎調査について学んだ後、演習1では比較的小規模な敷地を対象とし、緑地デザインの基本である敷地分析、造成・植栽の技法、および模型や図面など設計表現技術を中心に一連のデザインプロセスを理解し、習得する。演習2はその応用として、都市近郊の緑地環境における複雑な事例や大規模な開発プロジェクトを対象として、地域分析から問題発見、計画代替案の提案と時間スケールを意識したプログラムを中心に、エリアマネジメントを視野に入れたデザイングラフィックスを習得する。

 


緑地環境実地実習(緑地環境学専修必修)

担当教員:山田晋(農学生命科学研究科附属生態調和農学機構助教)、大黒俊哉、土屋一彬

本実習では、緑地空間を構成する緑地植物の分類と生態、緑地植物・植生の調査方法、緑地植物・植生の管理・育成の技法について、実地での観察および作業を通じて体得するとともに、都市から里地里山にいたる広範な緑地空間を実際に見学し、緑地空間をランドスケープとしてとらえる方法および緑地環境保全の実情について学ぶ。

1.緑地植物の分類
・植物分類の基礎、草本植物の分類、木本植物の分類
2.緑地植物・植生の調査
・毎木調査、植物社会学的群落調査
3.緑地植物・植生の管理
・剪定、移植、栽培管理、室内展示
・里地里山の植生管理(水田、二次林)
4.緑地空間の把握および緑地実地見学
・GIS(空中写真等)を用いた緑地空間の把握
・実地見学(庭園、都市公園、都市緑地、特殊緑化地、里山等)

 


ランドスケープエコロジー実習(緑地環境学専修・フィールド科学専修必修)

担当教員:大黒俊哉、土屋一彬

講義科目「ランドスケープエコロジー」と連携しながら、講義において得られた知識をもとに、環境情報の処理、作成、解析の技法について学ぶ。近年地理情報システム(GIS)で扱うことのできる環境情報の整備が進む中で、緑地環境保全計画を策定していくために、こうした既存の情報をどのように活用していくかが重要になっている。そのために、本実習では、既存の情報を用いたシステムの構築手法を通じて、環境情報の判読について理解を深めるとともに緑地保全計画に必要な主題図を自ら作成する手法について実習を行う。

1.地理情報システムの構築手法
1)緑地保全計画と地理情報の種類
2)環境情報の判読
3)既存地理情報の入手と前処理・構築手法
4)地理情報システムを用いた解析手法
2.緑地保全の主題図作成手法
1)空中写真の判読手法
2)相観植生図の作成手法
3)土地環境図の作成手法
4)プレゼンテーション手法

 


保全生態学実習(緑地環境学専修・フィールド科学専修必修)

担当教員:吉田薫

保全生態学の基礎となる野外調査および室内実験の手法、データ解析などについて学ぶ。野外実習(集中)では、西東京市にある生態調和農学機構において、水田の管理、イネの栽培方法について実習するとともに、水田や畑に依存して生息する様々な生物について観察し、環境保全型農業を実施するために必要な知識を習得する。また、実験室での実習では、外来生物の侵入の実態を調べる方法、遺伝子組換え技術により作出した環境負荷低減植物の解析法を学ぶ。

1. 西洋タンポポの侵入の実態を解析
2. 水稲栽培、里地里山実習
3. 遺伝子組換え技術により作出した環境負荷低減植物の解析